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2024.03.08

日経平均株価、ついにバブル期を超え史上初の4万円を突破!

こんにちは

先日、日経平均株価がバブル期につけた最高値3万8915円を超え、史上初の4万円を突破しました。
今年に入ってから約20%上昇しており、一見、バブルのようにも見えますが、PER(株価が割高か割安かを判断するための指標)で見るとそれほど割高とは言えず、バブルとは言えないでしょう。
また、皆さんが普段よく見る日経平均株価は配当を考慮していない指数ですが、配当込みの指数である日経平均トータルインデックスは、2020年に既にバブル期の史上最高値を更新しています。

【なぜこんなに株価が高騰したの?】
大きな要因の一つに「円安」が挙げられます。
日本人は日本円で日本株を買うため為替の影響は受けませんが、外国人投資家は為替の影響を大きく受けます。
下の2つのグラフは、円建てと米ドル建ての日経平均株価の推移です。
日経平均株価の推移(円建て)
日経平均株価の推移(米ドル建て)
※Bloombergデータより、GOファンド株式会社が作成。(2004年1月第1週末から2024年3月第1週末の各週末の終値)

実は、米ドル建てでは2021年の株価を超えておらず、外国人からすると「そこまで日本株が急騰しているようには見えない」という感覚なのです。
円建て日経平均株価と米ドル建て日経平均株価の変化の図
※Bloombergデータより、GOファンド株式会社が作成。

そしてこの円安は、企業が海外で稼いできたお金にも大きな影響を及ぼします。
例えば、日本の上場企業で時価総額第1位のトヨタ自動車は、日本でも多くの自動車を販売していますが、実は海外での販売台数の方が多いのです。
対ドルで1円円安になると、トヨタの営業利益は約450億円押し上げられるとされています。
日経平均株価に組み入れられている企業は海外で稼いでいる企業も多いため、為替が円安に振れると企業業績がプラスとなり、株価が上昇する傾向にあります。

【株高にも関わらずなぜ実感が湧かない?】
「株価はバブル期を超えたみたいだけれど、景気が良い実感はない」という方がほとんどだと思います。
なぜでしょうか?

株価というのは、一般個人の景気よりも企業の収益を映しやすいものです。
景気が悪くても企業が稼ぐということはありますし、今の日本経済はそれに近いところがあります。

そして、バブル後の最高値を更新したのは「日経平均株価」です。
日経平均株価に組み入れられている銘柄は、上場企業のうちたった225社に過ぎません。
皆さんの周りに、この225社で働いている人はどれくらいいるでしょうか?
その企業に勤めている人は、株高の恩恵を受けて給与が上昇しているかもしれませんが、それは国民の中でもほんの一握りに過ぎないと思います。
だからこそ、昨今の株価上昇と国民の実感がかけ離れているというのはある意味自然なことかもしれません。

また、今般の株価上昇について街頭インタビュー等で「投資をしている人だけが得している」と愚痴を漏らす人がいます。
しかし、これはその人も投資を始めれば解消する問題です。
昔と違い、誰でも簡単に少額から資産運用ができる時代になりました。
投資にリスクはつきものですが、リスクを取らずに大きなリターンを得られることはないのです。

【この株高はいつまで続く?】
先に記載の通り、この株高はバブルではないとの見方が強いため、中長期では上値の更新も十分にあると考えています。
ただし、かなりのスピードで急上昇してきたため、反動(急落)には注意が必要です。
株価が永遠に上昇し続けるということはありませんし、年初から約20%上昇した反動で10%安(4,000円安)となる可能性も十分にあります。

このような株価高騰のニュースを見ると、「こんなに日本株が上がるなら、あの時買っておけばよかったな」と思いたくなるのが人間の性ではありますが、10年前、まして5年前であっても、バブル期の株価を超えると予測していた人はプロでもほとんどいなかったと思います。
どのアセットクラス(資産クラス)がいつ上がるかを当て続けることができるのであれば、とても理想的ですが、それはプロでも非常に困難です。
※参考サイト:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)ウェブサイト

ここで大切になってくるのが、「長期・分散投資」です。
分散投資については、こちらのコラムで詳しく解説していますが、複数の資産に投資をすることでリスクを軽減させることを「分散投資」と言います。

「金融市場の動きを予測し当てることはプロでも難しい。」

だからこそ、1つの資産にだけ集中して投資をするのではなく、複数の資産に分散して投資をすることが大切です。
この機会にご自身の資産運用について見直してみてはいかがでしょうか?