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2024.03.21

ヘッジファンドとは?【初心者向け】用語の意味、メリット・デメリット、始め方を解説

ヘッジファンドとは?【初心者向け】用語の意味、メリット・デメリット、始め方を解説

「ヘッジファンド」という言葉を聞いたことがあるけど、実際にどういったファンドなのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。自身でもヘッジファンドに投資できるか気になる方もいるでしょう。
この記事では、ヘッジファンドの基本的な説明と、ヘッジファンドを利用するメリット・デメリットについてみていきます。ヘッジファンドの購入方法についても解説するのでぜひ参考にしてください。

ヘッジファンドとは何か?

ヘッジファンドとは、従来の株式や投資信託だけでなく、先物取引やデリバティブ(金融派生商品)、空売りにレバレッジ(借入による投資)といった多様な投資手法を用いて運用するファンドです。主にアメリカをはじめとする海外で活発に展開されています。
著名なヘッジファンドとして「ブリッジウォーター・アソシエイツ」や「ソロス・ファンドマネジメント」などが挙げられます。
ヘッジファンドは、富裕層や、機関投資家といった限られた投資家を対象とし、最低投資資金は1口あたり数千万円以上になることが一般的です。そのため、ヘッジファンドの利用は、高所得者や資産家といった人でなければ難しいとされています。

ヘッジファンドの主な目的

ヘッジファンドの主な目的は、どのような相場であっても利益を追求することです。市場で起こる変化に対応し、たとえ市場で大暴落が発生しても利益を出すことを目指します。
たとえば、株式市場に大暴落が起きた場合でも、ヘッジファンドは空売り(売りを先行し、後で買い戻す)などの手法を用いることで利益を追求します。空売りとは、株価が下落することを予測して株式を売り、後で低価格で買い戻すことによって差額を利益とする手法です。
ただし、ヘッジファンドは「絶対収益追求型」の運用スタイルですが、必ずしも利益が出るとは限らない点に注意が必要です。

一般的なファンドとの違いは?

一般的なファンドとの違いは?

ヘッジファンドと一般的なファンドには運用方針や最低出資金など、いくつか異なる点が存在します。以下の表でそれぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

ヘッジファンド 一般的なファンド
対象投資家 機関投資家・富裕層 不特定多数の投資家
投資金額 数千万円から 100円等の少額から
投資対象 株式や投資信託、その他デリバティブ商品など 株式や債券など
成功報酬 あり
レバレッジによる投資 可能 規制あり
運用目的 絶対収益 相対利益

このように、一般的なファンドであれば最低100円程度から投資が可能ですが、ヘッジファンドでは数千万円という高額な最低投資金額が設定されています。また、ヘッジファンドは成功報酬制を採用しており、運用成果に応じて報酬額が異なる点も大きな違いです。

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 ヘッジファンドで利益を得られる仕組み

ヘッジファンドがどのような相場でも利益を得られる理由に、多種多様な投資手法を用いて運用することが挙げられます。
一般的なファンドでよく用いられるロングオンリー(買い戦略のみ)であれば、相場が上昇局面の場合は安定した利益を期待できますが、下落局面となった場合には損失が膨らみ続けることになります。株式の買い(ロング)のポジションに限定されるファンドの場合、どれほど優秀なファンドマネージャーが運用したとしても、株価下落局面で利益を出すことは難しいでしょう。
その点ヘッジファンドであれば、下落局面でも空売りなどの手法を活用して利益を狙うことが可能です。その他にもヘッジファンドは数多くの投資手法を持ち合わせており、優秀なファンドマネージャーが市場状況に応じて適切な戦略や投資対象を選択し、どのような相場であっても利益を追求します。

ヘッジファンドを始めるメリット

ここからは、ヘッジファンドで投資を始めるメリットについてみていきます。
主なメリットは次の2つです。
・優秀なプロに運用してもらえる
・リスクを軽減できる(一般的なファンドとの低相関=分散効果)

プロに運用してもらえる

ヘッジファンドを利用するメリットに、投資のプロに運用してもらえることが挙げられます。一概に断言することはできませんが、ヘッジファンドでは一般的なファンドよりも高度な専門知識や経験を有したファンドマネージャーが、多様な投資戦略を駆使して絶対収益を目指します。
投資の経験がなく、投資に関する知識がない人でも代わりに運用してもらえるため、投資初心者でも活用しやすいでしょう。また、本業が忙しく投資にあまり時間をかけられない人にも有効な選択肢となります。

リスクを軽減できる

ヘッジファンドの活用はリスク軽減にもつながります。一般的なファンドの場合、相場が下落相場になると損益が膨らんでしまいます。しかし、下落相場でも利益を狙えるヘッジファンドを組み入れることで、下げ相場でも損失を抑制することが可能です。
また、ヘッジファンド自体が複数の金融商品に投資し、分散投資を実施していることから、投資先の1つとしてヘッジファンドを組み入れることは自身のポートフォリオ内でリスクを軽減する上で有効な手段となるでしょう。

ヘッジファンドを始めるデメリットや注意点

ヘッジファンドを始めるデメリットや注意点

ヘッジファンドには理解しておくべきデメリットも存在します。以下が主なデメリットです。
・換金性が低い
・情報開示の頻度や量が少ない
・インデックスファンドよりもコストがかかる傾向にある
・最低投資金額が高い

換金性が低い

ヘッジファンドは換金性が低く、現金化するまでに一定の期間を要してしまう点に注意が必要です。
一般的なファンドでは比較的いつでも解約でき、解約から数日で現金化が可能です。しかし、ヘッジファンドの場合は投資をして数年間は解約できなかったり、その後も四半期に一度しか解約できないといった制約が設けられていることが多いです。
そのため、投資前にヘッジファンドの解約条件を確認し、当面使うことのない余剰資金で投資することが重要となるでしょう。

情報開示の頻度や量が少ない

一般的なファンドの場合は目論見書や運用報告書、毎月の運用レポートなどで投資対象や割合等を閲覧することが可能ですが、ヘッジファンドでは詳細な情報は非公開とするケースがあります。
これは、ヘッジファンドが限られた一定基準以上の投資家やプロである機関投資家が対象のため、情報開示の規制がゆるやかになっていること、そして投資戦略やノウハウを外部に流出させないという目的があるからです。

インデックスファンドよりもコストがかかる

ヘッジファンドは、インデックスファンドよりもコストが高くなります。
一般的なファンドの場合は管理費用(信託報酬)が発生しますが、運用資産額の1%以下が多いです。一方のヘッジファンドでは、管理費用に加えて成果報酬が発生します。管理費用は運用資産残高に対して数%かかることになり、成果報酬に関しては成果に応じて20%程度かかるケースが一般的です。
しかし、ヘッジファンドは高いコストにもかかわらず、一般的なファンドよりも高く安定したリターンを目指すことが一般的です。
たとえば、著名ヘッジファンドであるルネッサンステクノロジーが運用するメダリオン・ファンドは、管理費用が年5%、成果報酬が最大44%と破格の手数料体系ではありますが、コスト控除後の過去平均リターンは年率30%以上となっており、高いコストを正当化する結果を出しています。
ただし、このような優れたヘッジファンドに投資する機会は限られており、実際にメダリオン・ファンドはいくらお金を出しても投資できないと言われています。

「インデックス投資」について詳しくはこちら

ヘッジファンドの購入方法・始め方

ヘッジファンドの購入方法は、主に次の2つの選択肢があります。
・投資助言会社を経由する
・自身で直接契約する

 

  • 投資助言会社を経由する

投資助言会社とは簡単にいうと「投資の助言を行う会社」のことです。投資助言会社は自社商品の販売はせず、投資家の目的やリスク許容度に合わせた適切なファンドや運用商品を紹介します。その1つの紹介先にヘッジファンドが存在することがあります。
ただし、紹介や相談に対して助言料を支払うことになります。

  • 自身で直接契約する

ヘッジファンドは自身でも直接契約を結ぶことが可能です。日本のヘッジファンドは海外の大規模なヘッジファンドと比べると規模は小さいかもしれませんが、ヘッジファンドとしての運用目的や特徴は同じです。
また、海外のヘッジファンドよりも契約がしやすく、前述の投資助言会社といった仲介業者が減るため無駄な手数料を省けられるメリットもあります。

資産運用ならGOファンド

資産運用ならGOファンド

ヘッジファンドは下落相場でも利益を狙え、分散投資を行う上でも有効な手段といえます。しかし、その一方で最低投資金額が数千万円以上からのファンドが多く、利用したくても一般の投資家にはハードルが高い状況です。

そのような場合はGOファンドが提供している資産運用サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

GOファンドは、独自の投資戦略を用いて世界中の資産に分散投資し、年間ベースで負けないことを目標とした絶対収益型のヘッジファンドです。しかも、10万円からと手軽に利用することができます。ぜひこの機会にGOファンドで口座を開設し、資産運用を開始してみましょう。

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まとめ

ヘッジファンドとは、従来の株式の買い戦略だけでなく、多様な投資対象や投資戦略を用いて運用するファンドです。そのため、たとえ株式市場が下げ相場であってもヘッジファンドの場合は利益を狙えます。

しかし、その一方で一口あたりの最低投資金額が数千万円以上と高額になる点や、換金性が低く、現金化できるのに一定の期間を要してしまう点に注意が必要です。

そのため、もしヘッジファンドを検討する場合は慎重に判断し、自身で判断が難しい場合は資産運用の専門家に相談することをおすすめします。

 

<執筆者プロフィール>

辻本 剛士様

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社 代表
1984年8月3日生まれ。大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職し、在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立型FPとして起業。現在は相談業務、執筆業務を中心に活動している。