COLUMN
パッシブ運用の「パッシブ」とは「受動的」という意味になります。パッシブ運用は、市場平均の運用成果を目指す運用方法です。そのため、市場全体に連動するように運用されます。
このコラムでは、ファンドマネージャーの投資戦略に基づいて運用する「アクティブ運用」との違い、パッシブ運用のメリット・デメリットについて解説しています。
初心者の方にもわかりやすい内容になっていますので、ぜひご一読ください。
投資信託の運用方法の1つとしてパッシブ運用という方法があります。パッシブ運用はインデックス運用とも呼ばれます。
パッシブ運用では、市場全体の値動きに連動するような運用を目指しています。そのため、期待できるリターンも市場平均と同じになります。
良い運用か悪い運用かをみる尺度は、どれだけ市場全体の動きと乖離していないかです。
ですから、市場平均を上回るような運用は、パッシブ運用では良い運用とはみなされません。
また、パッシブ運用で利益を上げるには、市場全体の値動きが右肩あがりに推移する必要があります。
パッシブ運用とアクティブ運用の違いは、パッシブ運用が市場全体に連動した運用を目指す一方で、アクティブ運用は市場の平均を上回る投資成果を目指した運用を行うという点です。
銘柄の選別や入れ替えがほとんど必要ないパッシブ運用に比べ、アクティブ運用は、市場平均を上回る成果を目指すため、ファンドマネージャーが投資戦略を立てます。それに適した銘柄を選別するためには、企業の調査・分析が必要です。また、市場の変化に応じて、投資戦略に合うように銘柄の入れ替えを行います。
そのため、銘柄の入れ替えがほとんど必要ないパッシブ運用に比べ運用コストは高くなりがちです。また、アクティブ運用の投資信託では、ファンドマネージャーの銘柄選びの巧拙によって運用成果が大きく異なり、市場平均を上回るファンドもあれば、下回るファンドもあります。
パッシブ運用のメリット1つとして、パッシブ運用が市場全体の値動きに連動すること目指すため、市場平均を大きく下回る運用になる可能性が少ない点が挙げられます。
また、市場全体の値動きに連動することを目指すので、銘柄を入れ替える必要がほとんど無く、銘柄を選別するための調査・分析のコストがかかりません。それにより、投資信託保有時にかかるコスト(信託報酬)を低く抑えることができる点もメリットです。
たとえば、年率8%のグロスリターンを上げたAファンドとBファンドがあり、信託報酬がAファンド1.5%、Bファンドが0.1%の場合、それぞれの最終リターンはAファンド6.5%(8-1.5)、Bファンド7.9%(8-0.1)です。
このように、同じ運用成果のファンドでもコストの違いで、最終の収益に差が出ます。
パッシブ運用のデメリットは、市場全体の値動きに連動した運用を目指すため、「市場平均以上のリターン」を期待できない点です。
また、市場はいつも右肩上がりで推移するわけではないので、市場が右肩さがりで推移した場合は、パッシブ運用の投資信託の成績も同じように右肩下りになります。
市場が右肩下がりの時に、アクティブ運用のように機動的に銘柄入れ替えを行ってリターンが狙うことが、パッシブ運用のファンドには期待できない点もデメリットの1つです。
パッシブ運用、アクティブ運用ともそれぞれメリット・デメリットがあり、運用自体で「おすすめ」を決めるのは難しいです。
市場平均のリターンで満足する人は、パッシブ運用のファンドがおすすめですし、市場平均を上回るリターンを狙いたい人にはアクティブ運用のファンドがおすすめです。
昨今、「アクティブ運用のファンドよりパッシブ運用のものの方が優れている」と言われることがありますが、そのように断定するのは早計です。アクティブ運用のファンドの中には、市場平均を上回るファンドもあれば下回るファンドもあります。
これまで説明してきましたように「パッシブ運用」は市場全体の値動きに連動する運用を行うため、市場平均を上回る成果を期待することができません。
一方、「GOファンド」は 投資信託ではございませんが、独自の投資戦略に基づいて年率15%以上(*)のリターンを目指し、年間ベースでも負けないことを目標にしていま「絶対収益型ファンド」です。
投資先は、日本国債、日本・米国・欧州の株価指数先物・債券先物になります。
また、ファンドマネージャーの顔が見えるのも「GOファンド」の特徴の1つです。運用報告会では、運用状況や今後見通しについてファンドマネージャーが説明し質疑応答も行います。
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※運用報酬や取引にかかる費用を考慮して計算しています。税金は計算に含まれていません。将来の運用成果を保証するものではありません。2001年1月から2020年5月までのGOファンド投資戦略を用いたパフォーマンスシミュレーションと2020年6月より運用している私募ファンドの実際のパフォーマンスを使用して算出したものになります。
投資信託の運用手法には、パッシブ運用とアクティブ運用の2つがあることが分かりました。
パッシブ運用では市場全体の値動きに連動するように運用を行い、アクティブ運用では市場平均を上回る運用成績を目指して運用を行っています。
それぞれの運用方法の仕組みやメリット・デメリットを理解し、市場動向をみながら、パッシブ運用とアクティブ運用をバランスよく組み合わせて活用していきましょう。
<執筆者プロフィール>
恩田 雅之
オンダFP事務所 代表
2004年のオンダFP事務所を札幌に開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託などの資産運用を中心として記事の執筆及び生命保険、住宅関連(ローンや税金など)、クレジットカード、カードローン、暗号資産などの記事監修を中心に活動しています。セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやいすように、平易な言葉を使うよう心掛けています。