COLUMN
導入文
2024年よりNISA制度の大改正があり、非課税で投資できる枠が大きく広がりました。この機会に資産運用や投資を始めてみようという人は多いかと思います。
投資で得られる利益は2種類あり、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」と呼ばれています。どちらの利益をメインで狙いに行くかにより、投資手法も異なってきます。
このコラムでは、キャピタルゲインとインカムゲインがどのようなものであるか、またそれぞれの投資手法にはどのようなものがあるかを解説していきます。
キャピタルゲインとは株式や投資信託などが値上がりし、売却した際の利益のことで、「譲渡益」「売買益」などとも呼ばれます。
例えばある株式を株価が1,000円の時に購入して、株価が1,500円になった時に売却すれば500円(手数料・税金を除く)のキャピタルゲインを得ることができます。
キャピタルゲインは株式などを売却した際の利益のことであり、売却前の含み益はキャピタルゲインではありません。
キャピタルゲイン以外にも、投資をする際に覚えておきたい専門用語がいくつかあります。その中でも「キャピタルロス」と「インカムゲイン」はキャピタルゲインと関連しているので、一緒に覚えておきましょう。それぞれどのような意味をもつ用語なのか、詳しく説明していきます。
キャピタルロスとは、キャピタルゲインの反対の言葉で、株式や投資信託などが値下がりし、売却した際の損失のことです。「譲渡損」「売買損」などとも呼ばれます。
例えば株式を株価1,000円の時に購入して、株価が500円の時に売却した場合、500円(手数料を除く)のキャピタルロスが発生します。
インカムゲインとは投資で得られる利益のうち、「資産を保有することによって得られる可能性がある利益」のことをいいます。
株式であれば配当金、投資信託であれば普通分配金、債券であれば利金などがインカムゲインに当たります。また不動産投資における家賃収入も、資産を保有することによって得られる収入なので、インカムゲインに分類されます。
金融商品におけるインカムゲイン(預金の利息、上場株式等の配当金、普通分配金、利金)は、通常、源泉分離課税により20.315%の税金が支払い時に差し引かれます。
なお投資信託の特別分配金(元本払戻金)は、分配金と名前がついていますが、実際には元本の払い戻し分なので、非課税となっています。
金融商品に関するインカムゲインについて、どのようなメリット、デメリットがあるか解説していきます。後述のキャピタルゲインのメリット、デメリットと比較しながら理解していきましょう。
インカムゲインのメリットは、保有しているだけで定期的な収入が期待できることです。キャピタルゲインは売却が必要なため、複数の資産を保有している、または複数回に分けて売却する場合などは、都度手続きが必要になってしまいます。
一方、インカムゲインは資産を保有しながら、定期的に収入を得られる可能性があります。株式の配当金や投資信託の普通分配金は支払いの有無や金額が一定ではないことに注意が必要です。しかし、固定利付の債券であれば、デフォルトしない限り一定額の利金を償還まで得ることができます。
また長期保有することが前提なことも多く、毎日の株価や金利などを頻繁に確認しなくてよい点も大きなメリットです。
インカムゲインのデメリットとしては、キャピタルゲインを目的とした運用と比べると、利回りが低いことがあげられます。キャピタルゲインを目的とした運用では、株価が2倍、3倍になるような銘柄もありますが、インカムゲインを目的とした運用では、年率で数パーセントの利回りになることも多く、資産が増えるまでにある程度の時間が必要になります。
また、インカムゲインは資産を保有していれば発生する可能性がある収益ではあるものの、株式の配当や投資信託の分配金においては支払いの有無や金額は確定しておらず、企業業績や運用成績によって変化します。
インカムゲインを目的とした運用に適している人としては、定期的な収入を欲しい人が挙げられます。インカムゲインはキャピタルゲインに比べ、安定した収入が得られる可能性が高く、複数の商品を組み合わせることによって、毎月収入を得るような運用を目指せます。ただし、インカムゲイン狙いの投資でも損失が出る可能性はあるので、その点には注意しましょう。
また保有することで収入を得ることができる可能性があるため、株価や金利などを頻繁に確認する必要がなく、投資にあまり時間を割けない人にも向いています。
金融商品に関するキャピタルゲインについて、どのようなメリット、デメリットがあるかを解説していきます。
キャピタルゲインのメリットは、大きな利益を期待できることです。金融商品の中でも株式などのリスクの高い資産では、短期間でも2倍、3倍の利益を期待できる可能性がある反面、短期間で半分、3分の1になってしまい多くの損失を招いてしまう可能性もあります。このようにリスクをとることによって、資産価値を何倍にもできる可能性があるのがキャピタルゲインの最大のメリットでしょう。
また資産を売却することによってキャピタルゲインが発生するため、利益を確定するタイミングを自分でコントロールすることができます。税制面などの観点から、当年に利益を確定したくない場合などは条件がありますが、来年以降に繰り延べることも可能です。
株式などのリスクの高い資産でキャピタルゲインを狙いに行くと、損失を被る可能性も高くなり、キャピタルロスになることもあります。
株式の中でも特に値動きの激しい銘柄を購入している場合には、常時株価をチェックできるような仕組みがないと、知らないうちに大きな損失を抱えることもあります。
また売買に慣れていない場合には、利益確定のタイミングを逃してしまうことや、少ない利益で売却してしまうといったこともあるかもしれません。特に短期的にキャピタルゲインを狙うには、定期的に価格を確認する、売買のルールを決めておく、などの対応が必要になるでしょう。
キャピタルゲインを目的とした運用は、短期と長期で大きく異なります。短期でキャピタルゲインを目指す場合には、定期的に株価を確認したり、証券取引所の立会時間中に注文を出したりと投資に時間を割ける人が向いています。
一方、長期キャピタルゲインを目指す場合には、時間を掛けて資産の増加を目指せるので、あまり投資に時間を割けない人、短期的に損失が出ても気長に継続できる人に向いています。
投資での利益にはキャピタルゲインとインカムゲインがあると述べてきました。どちらかのみ、または組み合わせるなど、各々の目的によって運用方法はさまざまです。
キャピタルゲインは、短期でも利益を得る可能性はありますが、損失となる可能性や損失額も大きくなるなどのリスクもあります。一方のインカムゲインは比較的安定した収入が期待できるものの、キャピタルゲインを目的とした運用と比べると利回りは高くはありません。
そのため投資に回せる資金が少ない場合には、積極的にキャピタルゲインを狙っていくことは有効でしょう。ただし短期ではリスクが高いため、中長期でキャピタルゲインを狙うなど、自身のリスク許容度に合った運用を行いましょう。
一方、投資に回せる資金の多い人は、インカムゲインを中心に資産を守るのも1つの方法です。また投資の目的や期間に合わせて、資金の一部でキャピタルゲインを狙っていくことも有効でしょう。
自分で直接運用しなくても、投資信託のようにプロに任せる運用方法もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。
投資で得られる利益は2種類あり、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」があります。キャピタルゲインは株式などが値上がりし、売却した際の利益のことを指します。インカムゲインは資産を保有することで得られる可能性がある利益です。目的によってどちらかのみ、または両方を組み合わせるなど運用方法はさまざまですが、それぞれの違いを理解したうえで投資をしましょう。
<執筆者プロフィール>
青野 泰弘
ファイナンシャルプランナー・行政書士
1964年静岡県生まれ。同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。その後トヨタファイナンシャルサービス証券、コスモ証券などで債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事した。2012年にFPおよび行政書士として独立。相続、遺言や海外投資などの分野に強みを持つ。
GOファンドは日本国債、日本・米国・欧州の株価指数先物・債券先物に分散投資し、独自の戦略で年率15%以上(※)のリターンを目指して運用している絶対収益型のファンドです。投資信託ではありません。
※運用報酬や取引にかかる費用を考慮して計算しています。税金は計算に含まれていません。将来の運用成果を保証するものではありません。2001年1月から2020年5月までのGOファンド投資戦略を用いたパフォーマンスシミュレーション、2016年6月からはファンドマネージャー田沼による前職での類似戦略の運用実績、2020年6月より運用していGOファンドの実際のパフォーマンスを使用して算出したものになります。
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