COLUMN
先日、アクティブ型のETF(上場投資信託)が初めて東京証券取引所(以下、東証)に上場しました。
従来のETFと何が違うのか、またそもそもETFとは何なのかについて分かりやすく解説します![]()
ETF(イーティーエフ)とは、「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれ、投資信託の一種です。
下の表は、ETFと一般的な公募投資信託(以下、投資信託)の違いを示しています。

※投資信託を販売する証券会社、銀行、郵便局等の金融機関のこと。
■リアルタイムでの購入
投資信託は上場していませんが、ETFは取引所に上場しています。
そのため、ETFは株式などと同じように、リアルタイムで変動する市場価格で売買することが可能です。
■積立投資
投資信託は多くの販売会社で積立投資が可能ですが、ETFは整数倍でしか買付ができないため、同じ金額ずつ投資するのが難しい商品です。
一部の証券会社では、株式累積投資(るいとう)というサービスを利用して積立投資することは可能ですが、対象銘柄に制限があるケースがあります。
■購入場所
投資信託は、証券会社や銀行など取扱いのある金融機関で購入することができますが、ETFは証券会社でしか購入することができません。
■信託報酬(年間手数料)
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらう経費として、その商品を保有している間、投資家が払い続ける費用のことです。
ETFは販売会社へ信託報酬を支払う必要がないため、投資信託よりも信託報酬が低い傾向にあります。
信託報酬について少し説明すると、この報酬は1つの会社にのみ支払っているわけではありません。
投資信託の場合、運用の指示を出している「運用会社」、信託財産を管理・運用している「信託銀行」、投資信託を販売している「販売会社」の3社に支払われています。
しかし、ETFは「運用会社」と「信託銀行」の2社にのみ支払われるため、投資信託に比べて信託報酬が低くなりやすいのです。
ただし、アクティブETFの場合は、企業調査などのコストがかかるため、インデックス型の投資信託より信託報酬が高くなる場合があります。
■分配金の自動再投資
投資信託で分配金が出た際には、それを受け取らずに自動で再投資することができますが、ETFではそれができません。
再投資する際には手動で買い付けを行う必要があります。
今まで日本の取引所に上場しているETFは、全てインデックス型でした。
今回初めて、アクティブ型のETFが上場したのです。
下の表は、インデックスファンドとアクティブファンドの主な違いです。
※詳細は、コラム「投資するならインデックスファンド?アクティブファンド?」で解説しています。
※上の表は、あくまで一般的なファンドの特徴を比較したものであり、全てのファンドに当てはまるわけではありません。
※「組入銘柄」とは投資対象のことです(株式でいえば、たとえば「トヨタ自動車」や「ソフトバンクグループ」等)。
ただし、東証のアクティブETFの「アクティブ」は、インデックス運用以外の全てを含める意味で使用されており、一般的な意味よりやや広義です。

※ETFGIより、GOファンド株式会社が作成。2023年は7月末時点の数値。
2022年末時点、アクティブETFは24か国で取引されていましたが、日本では上場しておらず、諸外国に遅れをとっていました。
そんな中、2022年から上場解禁への議論が始まり、2024年からの新NISA(少額投資非課税制度)に間に合わせる形で、今回上場しました。
投資信託というと、非上場の公募投資信託しかないと思われがちですが、ETFという商品も存在します。
ETFと投資信託のどちらが良いと一概に言うことはできませんが、その違いを把握して、自分に合った投資方法を選択しましょう![]()
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