COLUMN
近年、経済誌やSNSなどで「テンバガーの見つけ方」というタイトルの記事をよく見かけるようになりました。「テンバガー」とは、株価が10倍以上に急上昇した銘柄のことをいいます。このコラムでは、テンバガーの意味やテンバガーを達成した銘柄の紹介、テンバガーについての「よくある質問」をQ&A形式で取り上げています。
テンバガーについて興味のある方は、ぜひご一読ください。
株価が10倍になるほど急上昇した銘柄のことをテンバガー(ten bagger)と呼びます。
「バガー」とはもともと野球用語の「塁打」という意味で、「テンバガー」とは1試合に10塁打の大活躍をした選手のことをいいます。
もともとテンバガー(10倍株)を金融用語として使い始めたのは、米国フィディリティインベスメンツのファンドマネージャー「ピーター・リンチ」です。 ピーター・リンチは、アクティブファンドである「マゼラン・ファンド」を1977年~1990年の間運用し、平均29.2%の年率リターンを残した人物です。
ファンドで高い運用成績を上げ続けるには、テンバガー銘柄の発掘が欠かせないと著書「ピーター・リンチの株に勝つ」 の中でも述べています。
2023年の1年間でテンバガーを達成したのは、東証グロース市場に上場している以下の2銘柄でした。
・【6573】アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
・【9560】株式会社プログリット
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社は、企業やブランドのファンに情報発信を促す施策を企画、運営支援などをしている会社です。
不正会計問題で低迷していた同社の株価は、2023年1月の社長交代、TikTokチャネル運用の株式会社コンフィの子会社化、4月の株式会社IM&HINI JAPANとの業務提携などの発表といった 好材料によって、同年3月29日の安値61円から10月19日の高値961円まで急上昇します。
この時点で株価 が約15.7倍となり、テンバガーを達成しました。しかし、業績的には赤字が続き、2024年4月16日時点の終値は138円となり、2023年の高値から比べて大幅に下落しています。
出典:TradingViewのチャートをもとに作成
株式会社プログリットは、2022年9月に東証グロース市場に上場した会社です。
業種区分はサービス業に分類され、英語コーチングやサブスクリプション型英語学習サービスを主要事業としています。
下の株価グラフにありますように、初値こそ393円でしたが、その後は200円台で推移しています。
2023年1月に発表した2023年8月期第1四半期の決算が好調だったことで1月4日の安値234円から上昇し、6月20日には高値2,500円を付けました。この時点で、株価が約10.7倍となりテンバガーを達成しました。
出典:TradingViewのチャートをもとに作成
ここでは、テンバガーについての「よくある質問」の中から3つの質問に絞って、Q&A形式で回答していきます。
質問内容は以下のとおりです。
・テンバガーとはどういう意味ですか?
・有名なテンバガー銘柄は何がありますか?
・最近テンバガーを達成した銘柄は?
テンバガー(ten bagger)とは、比較的短期間に株価が10倍以上になった銘柄のことです。期間に関しては厳密な規定はなく、5年以内程度が目安になります。
テンバガーが生まれる要因としては、技術革新や潮流の変化などによって、特定の企業や業種に対して追い風が吹くことなどが挙げられます。
それ以外には、リーマンショックなどの景気後退局面にて、多くの企業の株価が大幅に下落した際には、優良銘柄の中からも数年後にテンバガー銘柄が生まれることもあります。
有名なテンバガー銘柄としては、半導体関連の【6920】レーザーテック株式会社 があります。
同社の株価は、2019年1月4日の終値、約1,330円から2021年1月5日の高値13,300円でテンバガーを達成し、その後2022年1月4日には高値36,090円、2024年4月15日現在の終値は42,180円に上昇しています。
株価は、5年超(2019年1月4日~2024年4月15日)で約31.7倍になりました。
出典:TradingViewのチャートをもとに作成
最近テンバガーを達成した銘柄としては、データセンター独立系大手の【3778】さくらインターネット株式会社 があります。
同社の株価は、2023年1月4日時点の終値は491円でしたが、同年11月末に日本政府のクラウドに選定された後、2024年3月7日には高値10,980円まで上昇し、株価は約22.3倍になりました。
出典:TradingViewのチャートをもとに作成
GOファンドでは、個別の株式に投資を行っていないため、上記で紹介した様なテンバガーになりそうな銘柄を発掘して組み入れるような運用はしていません。
GOファンドは、日本国債、日本・米国・欧州の株価指数先物・債券先物に分散投資をして年率15%以上(※)の運用成果を目指しているファンドです。
具体的な運用先は、日経平均先物、TOPIX先物、S&P500先物、DAX先物、日本国債先物、米国債先物、独国債先物、英国債先物、日本国債現物になります。
※運用報酬や取引にかかる費用を考慮して計算しています。税金は計算に含まれていません。将来の運用成果を保証するものではありません。2001年1月から2020年5月までのGOファンド投資戦略を用いたパフォーマンスシミュレーションと2020年6月より運用している私募ファンドの実際のパフォーマンスを使用して算出したものになります。
ネットで、最短3分で口座開設の申し込みができるので、この機会にGOファンドで口座を開設し、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
このコラムでは、テンバガーを達成した4銘柄(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社、株式会社プログリット、レーザーテック株式会社、さくらインターネット株式会社)を紹介しました。
株価が数年以内で10倍になる銘柄は魅力的ですが、思惑や期待先行の部分も大きいため、期待通りの実績が伴わなければ、いずれ株価は下落し、大きな損失となるリスクもあります。またNISAでは値下がりによる損失を、損益通算によって相殺することができません。そのような点を考慮した上で、テンバガーとなるような銘柄へ投資を行うか検討しましょう。
<執筆者プロフィール>
恩田 雅之
オンダFP事務所 代表
2004年のオンダFP事務所を札幌に開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託などの資産運用を中心として記事の執筆及び生命保険、住宅関連(ローンや税金など)、クレジットカード、カードローン、暗号資産などの記事監修を中心に活動しています。セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやいすように、平易な言葉を使うよう心掛けています。