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日本では低金利が続いていますが、世界を見た場合に金利の高い国は多くあります。そのため外貨建てMMFにおいても高い利回りが表示されている商品もあり、興味を引かれる方もいると思います。ただし外貨建てMMFへの投資は損失を被る可能性もあるため、投資前に商品性をしっかり理解することが大切です。この記事では外貨建てMMFの特徴や、外貨預金との違いをわかりやすく説明していきます。
外貨建てMMFは外国で設定され、日本で販売されている公社債投資信託です。
ちなみに、外貨建てMMFの「MMF」とは、マネーマーケットファンド(Money Market Fund)の略称です。
運用対象は短期の国債や格付けの高い短期の証券などとなっており、安全性および流動性が高い商品設計となっています。運用実績に応じて毎日分配が行われますが、分配金はその月の分をまとめて月末に再投資する1カ月複利のタイプとなっています。
日本の普通預金の金利と比較して高い金利が得られるのが魅力ですが、為替が変動した場合には、為替差損を被ることもあります。
基本的には1つの通貨につき1つの外貨建てMMFを販売している証券会社がほとんどですが、SBI証券のように1社で複数の米ドル建てMMFを持つ証券会社もあります。
証券会社ごとに最低買付単位に違いはありますが、多くの証券会社では米ドル建てMMFであれば10米ドル以上0.01米ドル単位で買い付けの申込ができます。
したがって大きな金額を準備しなくても、投資を開始することができます。
現在、米ドル建てMMFであれば年4%後半、南アフリカランド建てMMFなら年7%半ば、トルコリラ建てMMFであれば年40%程度の利回りとなっています。
為替の変動リスクはありますが、外貨建てMMFに投資すれば、日本の金利と比較して高い金利が得られる可能性が高いです。
外貨建てMMFは投資信託であるため、積み立て投資をすることができます。(証券会社によっては積立サービスの取扱いがない場合もあります。)
積み立て投資では投資時期を分散することで、リスクを低減させることができます。併せてその間に金利の再投資による複利効果も得られますので、投資効率が高まります。
外貨建て債券などの利金を受け取った場合には、その外貨の利金で外貨建てMMFを購入する外貨決済サービスを提供している証券会社があります。
このサービスでは債券の利金の額が債券の最低買付単位以下であったとしても、外貨建てMMFを購入してくれるので、外貨の利金を効率的に運用することができます。
FXや外貨預金などの為替差益は、確定申告をする際には雑所得に分類され、株式や投資信託と損益通算することができません。
一方、外貨建てMMFの分配金や譲渡損益は申告分離課税となっています。したがって株式や投資信託の損益と通算することができます。ただし外貨建てMMFは公社債投信であるので、NISA口座では売買することができません。
外貨で運用できる金融商品の一つに外貨預金があります。米ドル建ての外貨定期預金と外貨建てMMFを比較しながら、外貨建てMMFのメリット・デメリットを解説していきます。
米ドル建て外貨定期預金 |
米ドル建てMMF |
|
最低買付単位 |
各社によって異なる |
10米ドル程度が一般的 |
保有中の費用 |
必要なし |
運用管理費用が必要 |
金利 |
預入時の固定金利 |
運用実績により変動 |
税金 |
・利金に対し20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収される ・為替差益は雑所得として確定申告が必要で、課税方法は総合課税となる |
・分配金に対し20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収される ・為替差益があっても株式等の譲渡所得として申告分離課税の対象となる ・源泉徴収ありの特定口座であれば、申告不要も可 |
流動性 |
満期前に解約はできない |
いつでも解約可能 |
為替予約 |
可能 |
不可能 |
主なリスク |
為替変動リスク 信用リスク |
為替変動リスク、信用リスク、 価格変動リスク、金利変動リスク |
資産保護 |
預金保険の対象外のため、保護はない |
分別管理のため、保全される |
外貨建てMMFと外貨定期預金と比較した場合、外貨建てMMFのメリットは、いつでも解約が可能で少額から投資可能な点です。また為替差益が出ても、申告分離課税の対象となります。
一方、デメリットとしては、金利変動などの影響を受けるため、利回りが保証されていない点です。また償還日が決まっていないので、為替予約ができません。
ここまで外貨建てMMFの特徴について見てきました。
GOファンドでは、外貨建てMMFをはじめとして投資信託の取扱いはありません。
外貨建てMMFは投資信託ではあるものの、比較的安全性の高い公社債等に投資しているため、株式に投資している投資信託と比べると、期待リターンは小さくなりがちです。
一方、GOファンドは匿名組合という仕組みで、日本や米国、欧州の株価指数先物や債券先物に分散投資を行い、年率15%以上(※)のリターンを目指す絶対収益型ファンドです。
※運用報酬や取引にかかる費用を考慮して計算しています。税金は計算に含まれていません。将来の運用成果を保証するものではありません。2001年1月から2020年5月までのGOファンド投資戦略を用いたパフォーマンスシミュレーションと2020年6月より運用している私募ファンドの実際のパフォーマンスを使用して算出したものになります。
ネットで、最短3分で口座開設の申し込みができるので、この機会にGOファンドで口座を開設し、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
外貨建てMMFは少額から始められる上、日本の金利よりも高い運用実績があり、信用リスクも低いので、投資初心者が外貨投資をしたい場合にはおすすめの商品です。
一方、新興国通貨の外貨建てMMFは為替の変動リスクが大きいので、元本リスクを大きく取りたくない人にはおすすめしません。自分のリスク許容度を見極めながら商品選択をするようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
青野 泰弘
ファイナンシャルプランナー・行政書士
1964年静岡県生まれ。同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。その後トヨタファイナンシャルサービス証券、コスモ証券などで債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事した。2012年にFPおよび行政書士として独立。相続、遺言や海外投資などの分野に強みを持つ。