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コラム

2024.12.19

お子さまへのお年玉、ドルで渡してみませんか?グローバルな視点でお金の知恵を育む

お年玉の写真

 

いよいよ年の瀬が迫ってきており、お年玉に考えを巡らせている方も多いのではないでしょうか?
「金額はいくらが妥当だろうか?」「渡す方法は昔ながらのポチ袋に現金?それとも電子マネーなんて方法もある?」
お年玉ひとつとっても考えることは沢山あります。

 

お年玉のあげ方に正解はないですが、最近耳にした面白い方法を今日は紹介したいと思います。
それは「米ドルでお年玉をあげる」というものです。

 

…米ドル!?

 

そうです、「米ドル」です。
大人の方でもドル紙幣が手元にある方は少ないのではないでしょうか?
手元にない場合、ドル紙幣を用意するのにコストがかかります。
両替には手数料がかかりますし、わざわざ銀行や外貨両替所などに出向かなければなりません。
それでも、日本円ではなくドルでお年玉をあげるメリットは沢山あります。

 

 

メリットその1 グローバルな視点を養える

国ごとに通貨が違うことは大人であればほとんどの方が知っていると思いますが、子どもはどうでしょうか?
年齢にもよりますが、身近な日本円しか知らないという子も結構いると思います。
実際のドル貨幣に触れることで、グローバルな視点を養うことができます。

 

 

メリットその2 為替(かわせ)の変動を体験することができる

一部のお店を除いて、ドルを国内の買い物で使用することはできません。
モノを買いたい場合、必ず日本円に両替をしなければいけません。

 

ここで問題になるのが「為替」です。
為替とは、異なる国の通貨を交換することです。
厳密には違うのですが、為替=外国為替を示すことが多いので、ここでは外国為替の意味で使っています。

 

今は1ドル=150円くらいですが、果たしてこのタイミングで日本円に両替するのは得策でしょうか?
将来は1ドル=200円になっているかもしれません。
一方で、1ドル=100円になる可能性もあります。

 

ドルでお年玉をもらった子どもは、お金の価値は常に変わることを実感でき、自然と為替に興味を持てるようになります。
例えば、「今は1ドルでこれだけのお菓子が買えるけど、将来はもっと沢山のお菓子を買えるかもしれないよ」といった具合に説明すると、より為替への理解が深まるでしょう。
ただし、ドルの価値が下がる可能性があることも併せて説明しておきましょう。

 

 

メリットその3 将来の資産形成の第一歩

ドルで買い物はできませんが、外貨預金や外国株投資など、資産運用に用いることはできます。(※)
モノを買うだけがお金の使い方ではありません。
子どもの頃から資産運用が身近にあることで、大人になった時のお金の使い道も広がるでしょう。

 

※未成年口座での取扱商品は金融機関によって異なります。詳細は各銀行や証券会社等にお尋ねください。

 

 

ドルでお年玉を渡す際のポイント

・金額

渡す通貨がドルになったとしても、金額の決め方は日本円と同じでよいでしょう。
子どもの年齢や各家庭の経済状況に合わせて、適切な金額に設定しましょう。

 

・子どもの年齢や性格に合わせて

特に低年齢の子どもには、ドルで渡す意味を丁寧に説明してあげましょう。
ここの説明を怠ると、「なぜすぐに使える日本円をくれないのか?」と子どもは不満を感じてしまいます。
金融教育の一環で行うことなので、説明はしっかり行うことが重要です。

 

・為替の変動について

為替は常に変動するため、ドルの価値は上がったり下がったりします。
今と同じ価格で将来日本円に両替することができるとは限らないことを、伝えておきましょう。

 

・費用

今手元にドルがない場合、銀行や外貨両替所などで両替する必要があります。
また、将来日本円に戻す際も、同じく両替しなければいけません。
両方とも手数料が発生するのが一般的なので、事前に金額や手続き方法を調べておきましょう。

 

お子さまとの会話例

家族団らんの写真

 

・「どうしてドルでお年玉をくれたの?」
→『日本に住んでる●●くん、●●ちゃんは日本円を使うけど、外国の人は他のお金を使ったりするんだよ。将来外国にお友達ができるかもしれないし、海外旅行に行くかもしれない。その時のために世界のお金について知っておいてほしいなと思ったんだ。』

 

・「ドルの価値はずっと一緒?」
→『じつはドルの価値は日々変わっているんだ。今は1ドル=150円くらいだけれど、10年前の2014年は1ドル=100円くらいだったんだよ。』

 

・「このドルはどう使うのがいい?」
→『日本円に両替して今欲しいモノを買うこともできるけど、将来欲しいモノのために貯めておくこともできるよ。どんな風に使うのが●●くん、●●ちゃんにとっていいのか、じっくり考えてみよう。』

 

まとめ

お年玉を外貨で贈ることで、子どもたちは世界経済を身近に感じることができます。
米ドルだけではなく、ユーロやポンドなどの通貨をプレゼントしてもよいでしょう。

 

学校での金融教育が義務化された今、家庭での学びも重要です。
お金について自ら考え、自ら判断できる力は、将来において子どもの選択肢を広げることに繋がります。
お金の知識は、一生の宝です。
是非この機会に、ご家族で「お金の勉強」を始めてみませんか?