COLUMN
こんにちは
日経平均株価がバブル後最高値を更新し、株式市場が賑わいをみせています。
日本株がここまで大きく上昇した要因の一つとして、東京証券取引所(以下、東証)が「PBR1倍割れ改善」を要請したことが挙げられています。
本来株価は株式市場が決めるものであり、取引所が要請をするのは異例の事態です。
なぜ東証は今回そのような要請をしたのでしょうか?
まずPBRとは、株価が割安か割高かを判断するための指標で、株価純資産倍率とも言われます。
会社の資産と現在の株価との比較であり、PBRが小さいほど株価が割安であることを示しています。
PBRは以下の式で計算されます。
今回東証が指摘した、PBRが1倍を割っている状態というのは、極端に言うと、「会社がこのまま事業を続けていくよりも、事業をやめて資産を株主に分配した方が合理的だ」と市場が評価しているという状態です。
例えば、株価が800円、1株当たり純資産が1,000円の企業のPBRは0.8倍となります。
仮に発行株式が1,000株とすると、時価総額(その企業の規模)は、800円×1,000株=80万円、純資産総額は100万円となります。
計算上は、全ての株式を80万円で買い占め、かつ企業の資産を全て売却して100万円が手に入ることとなり、株主は20万円を手に入れることができます。
そのため、事業を継続するより、会社自体を解散させる方が良い、という状態になるということです。
以下の表にあるように、日本は米国・欧州と比べPBRが低い傾向にあります。
※東京証券取引所「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議 第一回事務局説明資料」より、GOファンド株式会社が作成。
今回の取り組みによって、日本企業全体が中長期的に企業価値を高められるようになれば良いですね