COLUMN
投資で期待できる収益は、資産の値上がりによって得られる「キャピタルゲイン」と、利子や配当など資産を保有していることで得られる「インカムゲイン」があります。キャピタルゲインを期待して投資する金融商品には「株式」があり、インカムゲインを期待して投資する金融商品には「債券」があります。
REIT(リート)の主な収益源は「保有する不動産からの安定した賃料収入」です。REITは、株式と債券の間に位置するミドルリスク・ミドルリターンの金融商品として位置づけられています。
このコラムでは、主にREITの概要や魅力とメリット・デメリット、売買方法などについて説明しています。
REIT(リート)は、多くの投資家から集めた資金で不動産を購入し、そこから上がる賃料収入や保有不動産の売却益などの利益を投資家に分配する金融商品です。
日本では「不動産投資信託」と訳され、投資信託の一種に分類されています。
REITは1960年に米国で生まれました。J-REIT(ジェイ・リート)のJは「JAPAN」の「J」で、日本版のREITを指します。
J-REITは、2001年に日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人が上場してスタートしました。現在(2025年7月)、東京証券取引所に57銘柄が上場しています。
ここでは、REITの簡単な仕組みを下の図を使って説明します。
REITが不動産を購入する資金は、図表の①と②です。
①多くの投資家からの投資資金
②金融機関からの借入(融資) など
また、株式会社における社債に相当する投資法人債を発行して資金を調達することもあります。
REITは購入した不動産を③保有・運用し、そこから④の賃料収入を得ます。
それ以外に、保有不動産の売却による譲渡益も収入になります(譲渡損になるケースもあります)。
その上で④にて得た収入(賃料・売却益など)から、不動産の管理・運用費や⑥の利子の支払いなどを引いた分を利益とし、投資家に⑤分配金として定期的(年2回など)に支払います。
以上がREITの簡単な仕組みになります。
直接(現物)投資には、アパート経営やワンルームマンション投資などがあります。直接(現物)投資では、通常投資家が金融機関から融資を受けて物件を購入し、所有者として物件を貸し出し、賃料収入を得ます。その収入から金融機関への返済を行い、残ったお金が投資家の利益になります。
また、保有している不動産を売却する時に利益が出ていれば、それも投資家の利益になります。ただし、物件の維持管理費用や固定資産税の支払い等が発生することを理解しておきましょう。
REIT投資では、REITが不動産の所有者になります。投資家はREITが発行する投資口を購入し、物件から上がる収益を分配金として受け取ります。物件にかかる維持管理費用や固定資産税などはREITが支払うため、投資家は投資口を購入する費用だけを負担します。
換金については、直接投資では買い手が見つかるまで時間がかかりますが、REITの場合は証券取引所に上場していますのでスムーズな売却、換金が可能となります。ただし、売却時の価格によっては損失が発生する場合があるので注意が必要です。
ここでは、REITの魅力・メリットについて説明します。
REITの主な魅力は、比較的少額(数万円~数十万円)から不動産投資が始められる点で、メリットとしては下記の4つです。
1. 少額でオフィスビルやマンション、商業施設、物流施設などに投資できる
2. 利益の90%以上を投資家に分配するなどの一定条件を満たせば、実質的に法人税が課税 されないので、高い分配金が期待できる(J-REITの場合) 3. 不動産の管理・運営はREITが行うので、投資家の手間がかからない 4. 証券取引所に上場しているので換金しやすい |
また、REITは株式や債券などと同じように証券会社を通じて取引ができるので、他の資産と分散して投資をしても管理がしやすいという利便性があります。
REITは不動産が投資対象になるので、「空率リスク」や「災害リスク」があります。
また、金融機関から融資を受けるので「金利変動リスク」もあります。
空室リスクとは「空室が増えることで賃料収入が減るリスク」です。一方の災害リスクは「火災や地震などによる不動産が使用できなくなることで、賃料収入が失われるリスク」になります。
金利変動リスクは、「金利の上昇により金融機関への利払いが増えたり、借り換えがスムーズに行えなくなったりするリスク」です。3つのリスクとも、分配金の原資となる利益が減る要因や、REITの価格が下がる要因になります。
REITを売買する方法として、以下の2つがあります。
・これから上場するREITを購入する
・すでに上場しているREITを売買する
これから上場するREITを購入するには、新規公開株の申し込みをするときと同じように、その銘柄の幹事をしている証券会社で申し込みを行います。抽選で選ばれると、その銘柄を購入することができます。
ただし銘柄により、幹事会社が異なるので注意しましょう。
すでに上場しているREITの売買は、株式と同じように証券会社を通じて、売買注文を出して行います。株式と同様に値段を指定する指値注文、値段を指定しない成行注文も可能です。また、信用取引口座を開設していれば信用取引も行えます。
REITの売買ルールは、株式とほぼ同じです。売買はその時点のREITの銘柄の価格を確認しながら、証券会社を通して行います。注文方法は指値注文、成行注文の両方ができます。ただし、REITの売買単位は1口です。売買単位が100株となる株式とは、この点が異なりますので注意しましょう。
本コラムでは、REITの仕組みやメリット・デメリットや注意点について説明いたしました。REITは、投資家が手間を掛けずに行える不動産投資になります。株式と同じように売買できるので、株式投資の経験ある方には利用しやすい金融商品と言えます。
日本でREIT投資を行う以外に米国のREITや他の先進国のREITへの投資を考えている人には、REITを投資対象にしている投資信託という選択肢があります。投資信託の場合、1万円以下での投資が可能な金融機関もあります。
<執筆者プロフィール>
恩田 雅之
オンダFP事務所 代表
2004年にオンダFP事務所を札幌に開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託などの資産運用を中心として記事の執筆及び生命保険、住宅関連(ローンや税金など)、クレジットカード、カードローン、暗号資産などの記事監修を中心に活動しています。セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやすいように、平易な言葉を使うよう心がけています。
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