COLUMN
投資に対する税制優遇制度として、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)があります。NISAは金融庁が監督官庁であり、iDeCoは厚生労働省が監督官庁です。NISAは、日本在住の18歳以上の人が利用でき、利用できる年齢に上限はありませんが、iDeCoは、原則65歳未満の国民年金被保険者と、加入できる年齢に上限があります。また、iDeCoは、掛金に上限を設けていたり、資金の引き出しについても制限があったりします。このコラムでは、iDeCoの概要やメリット・デメリット、特徴について詳しく説明しています。iDeCoへの加入を考えている方は、ぜひご一読ください。
iDeCo(イデコ)の正式名称は「個人型確定拠出年金」です。個人型拠出年金は、2001年1月にスタートしましたが、その時点では専業主婦・主夫(国民年金第3号被保険者)と公務員は加入できませんでした。2017年に制度改正があり、専業主婦・主夫と公務員も加入できることになり、「iDeCo」という愛称となりました。
iDeCoは個人が掛金(年金資金)を拠出して、定期預金や保険商品、投資信託などで運用し、老後資金の準備するための「私的年金制度」です。また「掛金拠出時」「運用時」「受取時」に、税制面での優遇があります。
iDeCoの主なメリットは下記の3つになります。
・掛金拠出時、運用時、受取時に税制の優遇制度がある
・長期分散投資により資産を増やすことが期待できる
・年金資産の持ち運びが可能(ポータビリティに優れている)
iDeCoは「掛金拠出時」「運用時」「受取時」にそれぞれ税制の優遇制度があります。
掛金拠出時:掛金すべてが所得控除の対象になり、それにより税の負担が軽減されます。
運用時:通常、運用益にかかる税金(20.315%)が非課税です。
受取時:年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。
税制面に関する詳しい内容は「iDeCoの税制優遇措置」で説明しています。
iDeCoは、原則60歳まで資金を引き出すことができません。そのため、自動的に長期運用することなり、税制面の優遇制度も相まって複利効果の高い運用が期待できます。
iDeCoの運用商品は、元本確保型商品(定期預金・保険商品)と元本変動型商品(投資信託)の大きく2種類に分けられ、自分で運用商品を複数選んで運用することで資産分散の効果を高められます。
また、掛金の拠出は原則毎月行いますので、投資時期を分散することができます。
以上のように、iDeCoを活用することで長期分散投資ができるので、安定して年金資産を増やすことが期待できます。
長い人生では、別の会社に転職をしたり、会社員から自営業やフリーランスになったりすることがあります。また、逆に自営業やフリーランスから会社員になることもあります。
自営業やフリーランスから会社員になった場合には、iDeCoで運用した年金資産を企業型拠出年金に持ち運ぶことができます。逆に会社員の時の年金資産(企業型確定拠出年金など)をiDeCoに持ち運ぶこともできます。
このように、ポータビリティに優れている点もiDeCoを含めた確定拠出年金のメリットです。ただし持ち運ぶ時は、いったん換金する必要があります。
iDeCoには前述のようなメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。
iDeCoのデメリットは運用成果によっては、投資金額を下回る元本割れのリスクがある点です。
iDeCoの運用商品には、元本が確保されている定期預金や保険商品だけではなく、元本が変動する投資信託もあります。iDeCoでラインアップされている投資信託は、インデックスファンドやバランスファンドなど安定した運用が期待できる商品が多いですが、元本割れのリスクをなくすことはできません。
つぎにiDeCoの注意点としては、原則60歳まで個人別管理資産(拠出した掛金とその運用益)の引き出しができない点と、運営管理機関(確定拠出年金制度を運営する金融機関)によって取扱商品や手数料が異なる点です。
iDeCoはNISAのように運用途中で換金することができず、原則60歳まで個人別管理資産(拠出した掛金とその運用益)を引き出すことができません。そのため、運用途中に発生するライフイベント(結婚や住宅購入など)を考えながら、掛金の金額を考える必要があります(掛金の金額は1年に1回変更すること、またいつでも掛金を止めることも可能です)。
また、運営管理機関によって取扱商品や手数料が異なるので、事前に調べてから加入する必要があります。iDeCoの運営管理機関の情報(特徴、手数料、運用プラン)は、公式サイトの運営管理機関一覧 で確認することができます。
ここでは、iDeCoの特徴として以下の5つを挙げ、それぞれ詳しく説明していきます。
・iDeCoの加入資格
・iDeCoの加入区分により異なる掛金の上限
・iDeCoの運用方法
・iDeCoの税制優遇制度
・iDeCoで形成した資産の受取方法
iDeCoの加入対象となる方は、原則として下記の方です。
・国民年金の第1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランスなど)
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ただし、以下の方は加入対象とはなりません。
第1号被保険者
第2号被保険者
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iDeCoの掛金の下限は月々5,000円で、上限額まで1,000円単位で設定が可能です。
上限額(拠出限度額)は国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者により異なります。
国民年金の第1号被保険者と任意加入被保険者の場合は、月額6.8万円です。
国民年金の第2号被保険者の会社員は、下記のように勤務先の企業年金の実施状況などにより上限額が異なります。
・会社に企業年金がない会社員は、月額2.3万円
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*企業型年金とiDeCoの掛金合計額にも上限額が設定されています。
会社員の方は、事前に勤務先の年金制度の確認が必要です
国民年金の第3号被保険者は、月額2.3万円になります。
iDeCoは、運営管理機関が提供する運用商品のラインアップの中から加入者自身が選択し運用します。
運営管理機関が提示する運用商品の数は、最低3商品から最大35商品と定められています。
運用商品は大きく「元本確保型商品(定期預金や保険商品)」と「元本変動型商品(投資信託)」に分かれます。加入者は、毎月の掛金の範囲内で何本かの商品を選択して買い付けを行うのが一般的です。
また、運用中に「スイッチング」や「配分変更」によって運用商品の入れ替えなどを行うことができます。
「スイッチング」は、これまで運用してきた資産の商品構成などを変更することです。保有している商品の一部または全部を売却し、別の商品を購入します。
一方、「配分変更」は、今後の掛金で購入する商品の種類や配分割合を変更することです。
スイッチングや配分変更は、資産の配分比率が当初の比率からかい離した場合や自分の年齢などを考えて行います。
iDeCoは、「掛金拠出時」「運用時」「受取時」にそれぞれ税制優遇措置が取られています。
拠出時の掛金は、全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になります。
iDeCo公式サイトにある「かんたん税制優遇シミュレーション」を利用して「年収:500万円、年齢:30歳、掛金:15,000円」の条件で入力しますと、年間の税制優遇額は36,000円でした。
運用時には「運用益」が非課税になります。通常ですと運用益にかかる20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかりません。それにより、再投資による複利の効果を高めることができます。
受取時、年金として受け取る(定期的に受け取る)場合は雑所得として取り扱われ、「公的年金等控除」が適用されます。
「雑所得の金額=収入金額-公的年等控除額」
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一時金で受け取る場合は退職所得として取り扱われ、「退職所得控除」が適用されます。
「退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2」
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以上がiDeCoの税制優遇措置になります。
iDeCoで積み立てた資産は、原則60歳から受け取ることができます。
受け取り方法は、前述の通り、年金として定期的に受け取る方法と一時金で受け取る方法の2つがあります。運営管理機関によっては、積み立てた資産の一部を一時金として受け取り、残りを年金として受け取るという方法も可能です。
年金として受け取る場合は、一般的に5年から20年の間で期間を設定して、定期的に受け取りを行います。
一時金で受け取る場合は、60歳から75歳になるまでの間で受け取る必要があります。
iDeCoは掛金拠出時、運用時、受取時に税制優遇があり、老後に向けた資産形成を効率的に行える私的年金制度です。しかし、iDeCoには加入資格があったり、60歳まで運用資産を引き出せないなどの制限が設けられていたりします。また、投資信託で運用を行う場合、運用状況によっては損失(元本割れ)が発生するリスクがあります。
このコラムを参考に、メリット以外にデメリットや注意点の部分についてもしっかり押さえておいてください。
<執筆者プロフィール>
恩田 雅之
オンダFP事務所 代表
2004年にオンダFP事務所を札幌に開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託などの資産運用を中心として記事の執筆及び生命保険、住宅関連(ローンや税金など)、クレジットカード、カードローン、暗号資産などの記事監修を中心に活動しています。セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやすいように、平易な言葉を使うよう心がけています。
GOファンドはiDeCoを利用して投資することができませんが、年率15%以上(※)の運用成果を目指す魅力的なファンドです(GOファンドは投資信託ではありません)。
※運用報酬や取引にかかる費用を考慮して計算しています。税金は計算に含まれていません。将来の運用成果を保証するものではありません。2001年1月から2020年5月末まではGOファンド投資戦略を用いたパフォーマンスシミュレーション、 2016年6月からはファンドマネージャー田沼による前職での類似戦略の運用実績、2020年6月1日から2024年12月31日までのGOファンド運用実績を基に算出しています。
GOファンドの具体的な投資対象は、日経平均先物、TOPIX先物、S&P500先物、DAX先物、日本国債先物、米国債先物、独国債先物、英国債先物、日本国債現物になります。
初期投資は10万円~、追加投資は1万~と、少額投資が可能です。
また、iDeCoのように資金の引き出し制限がなく、販売手数料・解約手数料は0円です。